中国の不動産市場は曲がり角に来たのか?
「中国の不動産市場は曲がり角に来たのか?」と、中国の大衆新聞紙は今年初から、このような検証記事を競って報じ始めた。そのきっかけは、2007年住宅価格の急騰と供給増に政府の引き締め政策が重なったことで、2007年後半から中国の不動産業は曲がり角を迎えた。
「中国の不動産市場は既に曲がり角に入った」との見解を示す代表的な者は、万科不動産の董事長?王石氏である。王氏は昨年暮れに公の場で語ったスピーチでこうした考えを披露し、万科は彼の発言時期を前後して各地で住宅商品の一部値下げを展開している。一方、「中国の不動産市場は曲がり角には入っていない」との見方を示しているのは、SOHO中国の董事長?潘石屹氏である。SOHO中国は北京を地盤とした大手デベロッパーで、2007年に香港市場に上場している。潘石屹のブログではかかる論争を端的に表す以下の面白いイラストがある。

「(お客さん、)この先は曲がります?」という人力車の車夫に対して、王石が「曲がってくれ」と言う一方、同乗している潘石屹は「曲がらないで」とそれぞれ対照的な発言をしているという構図。
実は、中国の不動産市場は曲がり角かという論争は今始まったものではなく、中国の監督官庁が過熱する不動産市場を抑制するための措置を実施するたびに起きたのである。2005年及び2006年、中国の監督官庁が、不動産価格の高騰を抑制する措置にとどまらず、それぞれ不動産投資に対して規制措置を講じたとき、不動産価格はこれから下がる方向に転じるのではないか、という懸念の声が聞かれた。
ところが、いずれも不動産市場は一時、鎮静化の様相を呈したものの、不動産価格が大幅に急騰し、過去の記録をたびたび更新し、2007年に入って中国の不動産投資は熱狂した。特に、米国サブプライムローン問題に端を発した世界的な金融不安が取りざたされたため、中国においてはかかる問題発生の回避を図る中国の監督官庁は、これまで以上の厳しい不動産価格の高騰を抑制する措置を次々と実施した。
そのうち、需要抑制に向けた措置の中で最も注目を集めた住宅ローンの規制として、中国人民銀行と中国銀行業監督管理委員会は、2件目以降の頭金比率について、下限を30→40%に引き上げるとともに、ローン金利を貸出基準金利の1.1倍に引き上げるよう通達した。また、中国証券業監督管理委員会は不動産企業の新規IPO申請を暫く許可しない姿勢を示した。その結果、不動産企業が資金調達困難に陥った。
一方、残り数多くない耕地を保護するため、国務院は2008年1月3日に公布した「土地利用の節約?集約の促進に関する通知」は、遊休期間が2年に達した土地については、無償でそれを回収し、遊休期間が1年以上2年未満の土地については、土地使用権価格の20%に相当する土地遊休費を徴収するとしている。
以上の規定により、不動産企業は土地遊休費等の支払により、土地保有のコストが増加した。こうしたことにより、土地保有より現金を保有する企業のほうが生き残るという事態になり、入札でも土地取得を希望する企業が少ないためしばしば流産した。
このように、中国の不動産市場は本当に曲がり角に来ているかはともかく、土地価格が相対的に安くなっているのをチャンスに、資金の余裕のある企業は、そろそろ土地や建物の取得を視野に入れるときも到来しているのではないかと思われる。


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